商売で大きな成功をおさめた身内が多くいるが、ロンが小さな頃に教えてもらった不思議な護符があった。
恐らくは西洋のものだろう。彼の部屋の壁には手書きの妙な模様が描かれた紙が貼ってあり、聞けば毎日お祈りも捧げているということだった。
模様は2つあって、冠を被った獅子が左右に描かれたものと何匹かの蛇と剣が描かれたものとがあった。
2頭の獅子は真ん中に彼の名前を挟んでの位置関係だったように記憶している。
当時は何だかとても滑稽だと思っていた。
それから数年の後。
元々努力家だった彼は、普通ではちょっと考えられない程の大躍進をする。
地元のしがない商売人だった彼のもとに、テレビで見かけた大金持ちの社長達が勉強に来ていたのをみた。
彼の進軍はその後、新築家屋への引越しの際手違いで護符を破り捨ててしまうまでの十数年の間続いたそうだ。
構図と共に懐かしい記憶の一つである。
