ある方に言われてなるほどなとなったのだが、術法に対してのイメージを如実に表しているのがこのスタイルかと思う。
簡単な言葉を発するだけで、その言葉が持つエネルギーが作用し即座に人知を超えた結果を導き出す。
またその呪文には様々なものがあり、秘密さえ握れば誰もがあらゆる望む結果を得ることが叶う。空を飛ぶことさえもだ。
だが残念であるが、これはリアルではない。
確かに術法の世界には、観想と現実の境目を無くし、現実世界で願望を満たした時と同様のリアリティーを体感させ多幸を得るものがあるが、あくまでも脳が認知する仮想である。
この世そのものが仮であり空であり、同様の認知機能が云々という哲学的なお話をするのではなく、あくまで一般認識としての次元をテーブルに乗せた話としてである。
呪文に話を戻そうか。
呪文を口にすることによって、何らかの現象を起こすということは確かにある。
だがこれも、明確な理の上に成り立つものでなければコントロールすることは出来ない。
更にその理とは、極めて現実的で特には夢も無い話であり、日々の行をもって少しずつ成していくという地味なものによってその下地を築き上げている。
例えば梅花無尽蔵という咒を説いた。
たったこれだけでさえ、一心に委ねすがるということを殆どの人間にはなせぬのだ。
妄想と現象との間には、明らかな一線が引かれているということになる。
