まだ学生の頃、鶏料理のお店に通った。
先ず御通し代わりにチキンスープが出てくる。目につくところにチキンスープの薬膳的な効果などが書かれていて、日々の栄養の偏りを咎めていた良心の良い癒しになった。
お気に入りはチキンステーキで、目の前の大きな鉄板でニンニクとバターを焦がし、切り返しては蓋をして十分に蒸した。
蒸し蓋の下で油と肉汁が混ざり跳ねるジューという音にチュンチュンとした乾いた音がまじるようになると、食欲を誘う良い香りと歯触りの良さそうな皮目の焦げ具合の色彩が、若いロンの欲望を大いに掻き立てたものだ。
お代は幾らだったか学生には少し高めで、ご飯はおかわり自由だった。
思い出の一つである。
