失踪した男がいるが、味方側には大変な心配をかけた。
敵側と目される相手はのうのうと思うがままになった環境を楽しみ、味方となった者達には無限の駄々を浴びせかける結果となっている現状だ。
最大の痛手を被っているのはご両親であり、八方に頭を下げ続け、恐らくは寿命すらもすり減らしながら純粋に息子の帰りを待っている。
ご兄弟も含め誰一人として腹を立てることをせずに、せめて無事の便りだけでもとただただ帰りを待っている。
もしも帰ってきたならば、傷を癒すに風除けとしての協力をとの御依頼を受けた。
就職先であった会社の方へは既にあらゆる可能性についてのご納得を頂いているので、そこは先ず問題ではない。また親兄弟の愛はそんなもので揺るぎはしない。大丈夫だ。
問題は、出てくることを己の足で成せるかどうかということだ。
今の世の中である。正直なところ、本気で探せば見つからないということは無い。
だがそこを他人にやらせては、ここからの本人の人生の上を御天道様が照らさぬのである。
彼の人生であるので彼の好きな選択が出来るが、特にあの細いお母様の命を削ってはならんのだと思う。
削っては彼の人生が曇る。
とにかく、自分で元気を伝えて欲しいと願う。
そこからはロンが何とかする。
頼まれたのだ。仕方がない。
