日頃から言っていることだが、ロンは確定された未来は存在しないというスタンスで物を考える。
大抵の巷の占いの類いは本来の筋から大きく逸れ、神秘的な力を持つ者だけがアクセス出来る秘密の地図を教えるが如くの、詐欺師じみた得意面ばかりが並んでいる。
確定した未来をさも自分だけがしっているかのような顔を演じている。
占いごっこは好かんのだロンは。やめちくり。
良いか。本道は現状を形作る全ての要素に可能な限りの解析を行い、一派の持つ精妙な経験則とそこから導き出された公式による極めて現実的な未来観測を、一つのフォーマットに近い形にして提示し得るものなのだ。
そこには神秘も、また当たっただの外れただの八卦のペテンも無い。
本筋であるのならば現実である。だからこそその予見の精度やら相性やらが高ければ高いほど、結果の回避もまた明確に可能になるのだぞ。
当たるとか、外れるとかではないのだ。だから恐れる必要も全くもって無い。
例えばここにいる晶永先生の持つ八華も、当然巷のペテンとは大きく異なると解釈出来る。
かつてロンの3番目の子が出来る前、性別は何であると思いますかと聞いたことがある。ロンは女の子が欲しかったからだ。
答えは殆ど間違いなく男の子だというものだった。
女の子にしますと言ったロンに、晶永先生はニコリと微笑んだのを思い出す。
ロンは何をしたか。
実はその後のロンの様々な生命パターンを、可能な限りで逆転させ続けたのだ。
例えば好みの肉を食べずデザートをたくさん食べ、腹がたてば直ぐに怒り、走る道は歩き歩く道は走った。息が上がれば止め、鎮まる息はテンポを上げる。右に行くを左に迂回、左にを右に前にと振り回したのだ。
数をあげれば限りないが、今思えばかなりの徹底ぶりだったように思う。
結果はどうであったろうか。
ロンは天使のように可愛い、元気な元気な女の子を得た。
