先に書いた①のエピソードには続きがある。
寝苦しい夜であっても人間図太いもので、前日の疲れもあって朝方には全員が眠っていた。
同行していたロンの弟が早朝から靄のかかった琵琶湖に釣糸を垂れている。波音だけの穏やかな時間であったが、昨晩の幽霊騒ぎのあった場所ピンポイントでの釣り。釣果は乏しく小さな鯉を一匹リリースしたのみだが、流石に我が弟能天気なものである。
ところが帰路、また妙なことが起こった。
トラブルのあった女性が、昨晩の幽霊がついてきていると言い出したのだ。
ロンの立場からすれば原因は明確で、実はその女性が呼び寄せているというのが実際のところなのだが、ともあれ幽霊は再び我々のところにやって来てしまった。
休憩がしたいということで途中のドライブインに立ち寄ったのだが
「何名様ですか?」
「6名です」
「6、、えっと、7名様ですね」
「6名です」
仲間達の顔が一気に曇る。
出てきた水が7杯だったのだ。
「6名なので‥」
「失礼致しました」
面白半分に写真をたくさん撮ったりしていたのだが、やはりここはもうまずいとなって出ようということになった。
出てきたフォークやナイフ類、これらも全てが7人分あったのだ。6名だと言っても厨房でコソコソ7名だと話している。
何だか嫌な感じになってきたなとなったが、仕方がないので取り敢えず再び車に乗って帰路についた。
結果としては少し先に坂本の日吉大社という場所があって、彼女はそこで助けてもらったという形になったのだが、詳細は少しプライベートな内容になるので今回は割愛しよう。
あの日、琵琶湖の水際を滑るようについてきた幽霊の姿は今も記憶に新しい。
とても美しい場所だ。機会と縁があれば誰かとご一緒したいものだと今も時々考えている。
