仏道に踏みいる深さによって、ロンは大好きであった御刀を手放すことになっている。
特にやらねばならないという理由はないのだが、これは師との約束事でもありロンの物欲の放棄というところでもあるのだろう。
深淵まで入るのならば最終的には神剣以外は全て手放せとまで言われている。
お題にもあるが、この度その順番が菊水刀に定められた。
戦時中に国民の祈願を乗せ湊川神社で鍛えられ、見事に守護するべきを守り抜いた名刀だ。
地水火風空、天地神人この全てによってなる御刀という存在。この菊水には特別な思い入れすらも感じているが、とうとうこれを手放す時がきたのである。
専門の業者にお渡しすることになるが、やはりロンも人間。大切にしてくれるような人のところに嫁に出したいものだと考えている。
我こそはという人があれば是非とも名乗り出て欲しい。後悔するようなナマクラではない。
