密教法具には様々なものがあるが、所謂金剛杵と呼ばれるもののうち日本で馴染みの薄いものに九鈷杵というものがある。
日本にはそれはなく空海の持つ五鈷杵が最大数だという人もあるがそれは間違いで、確か醍醐寺であったと思うが重文の見事な九鈷杵が納められている。
外国土産での人気が高いとのことで粗悪な模倣品が大量に市場に出回ったため、専門的なお店に行っても本物に出会う機会は極めて稀だ。
位の高い僧侶の仕様は鋳造の過程で仏舎利などを練り込んであり、またデザイン性も緻密でバランス感覚に優れ、歪み弛みの類いは殆ど見当たらない。勿論値段も高価となっている。
知る人を見たことはまだ無いが、五鈷九鈷というような本数に優劣は実はなく、ただ役割が異なる。
奇しくも本物との御縁に恵まれた方は是非、大切にして頂きたいものだ。
